バロック前史の中で、“上級天使の顔はフミに少し似ている”というような描写を見つけた時は、衝撃でした。
(シンドロームではカットされている文章です)
フミは謎めいたキャラクターですが、そんなに上級天使との関係性を仄めかされたら、ますます彼の正体が(個人的に)気になってしまいます。
彼は一体、なんなんだろう……まさか、上級天使のクローンとか?
いやいやいや…、流石の上様でも、自分のクローンは作らんて。
(あっ、でも完璧な“知覚”がなかなか生まれなくてイラついてたとしたら、作っちゃうかもしれないな。
上級天使ってある意味、世界でただ一人の死なない“知覚”な訳だし)
蛇足ですが、PS版公式サイトで読める「BAROQUE▼INTERLUDIUM」では、フミの目の色は「虹色」ではなく、「薄茶色」と描写されています。
シンドロームでも、出て来るスチルの目が虹色に見えるだけで、別に「虹色」とは表現されてないんでしたっけ?
文章自体は「虹彩が淡くなる」とか「視線が宙に浮く」とか、そんな感じの表現だったような気がします。
バロックじゃない時の目が薄茶色って事なんかな?フミは全体的に色素薄そうなイメージがあるし…。
フミの件以外にも、バロック前史には、色々と注目すべき点がありまして、
シンドロームよりも、ルビの容姿がもっと詳しく書かれていたり(背が低い・睫毛がまばら)、
スペシアル・ハンターの制服の色が違っていたりするんですよねー(黒や濃紺ではなく、えんじ色)。
翼の青年については、シンドロームでは容姿が主人公と酷似してて、「もしかしたら?」というくらいの印象だったけど、
前史だと、完全に主人公で確定な感じの、書かれ方でしたね。
翼の青年は(レイカ編では)コリエルのリーダーだし、大熱波が起こる前にマルクト教団を脱退しているので、
バロック本編の主人公と同一人物と考えると、辻褄の合わない部分も結構ありますが…。
まあなんというか、「あり得たかもしれない未来の一つ」って事なんでしょうね。バロックの世界は、多層ですし。
そんなような事を色々と考えているうちに、バロック前史およびシンドロームのストーリーは、
「大熱波が起きなかった世界の話」なのではないかと思えて来ました。
少なくとも、バロック本編のような形とタイミングでは、起きなかった世界なんではないかと。
もしくは、上級天使の野望を打ち砕ける人間が現れず、ゆっくりと世界が崩壊していくディストピア、だという気もします。
シンドロームの後日譚を妄想していると、楽しいです。続編が書けそうな終わり方ですよね。